「生きる力」を身につける!秘策あり!?

2019/06/13



「生きる力」
これを育むことが、文科省が定めた学習指導要領で示されている、教育の方針です。「生きる力」とは、生きていくために必要な様々な力を合わせたものと言えます。
では、これからの時代、「生きる力」を身につけるためには、どのような力が必要でしょうか。
少なくとも、「受動的な態度」や「単純作業」ではないことは明白です。なぜなら、それらはすべて機械でも可能だからです。この先の未来は、ますます機械や人工知能が発達して「命令されて行う単純作業」は、人間よりも機械の方が早くて正確であり、優れているのは確実と言えます。
では、何が「生きる力」に必要な力かといえば、「能動的な態度」や「想像する力」と言えるかと思います。
学校では、この「能動的な態度」や「想像する力」を身につけさせるために、試行錯誤しています。しかし、教室内での一斉授業では、基本的に「知識」を習得することが中心となります。学校では、どうしても、社会で生きていくための、実践が少ないのが現状です。もちろん、校外学習や運動会などの特別活動や総合的な学習や総合的な探求の時間は、「生きる力」を身につけるための実践的な学習であり、学校側の努力に留意する必要もあります。それでも、「生きる力」を身につけるためには、学校の教育だけでは限界があるかと思います。
それでは、学校以外の教育といえば、家庭内での教育があります。実は家庭内の教育で、「生きる力」が培われるような取り組みがあるようです。

(以下、2019年5月11日yahooニュースLIMOから引用)
―――
(前略)
佐藤さんの息子は、毎月100円のおこづかいをもらっていました。しかし、あるとき150円のカードゲームのパックが欲しくなり、お金が足りず困ってしまいました。

その姿を見た佐藤さんは、息子に向けて100円で「おこづかい講座」を開き、お金の使い方や、お金を増やすためのビジネスのアドバイスをしました。

小1の男の子でもできることで、どんな方法ならお金を出してもらえるようなサービスを提供できるのか。ビジネスチャンスを掴むためのいくつかのアドバイスの中から、最終的に「ターゲット(=両親)が普段お金を出して得ているもの」として、コーヒーとマッサージを提供することになりました。

(中略)

「お店で出るような美味しいコーヒーを、ハンドドリップで淹れてくれるならお金を払ってもいい」というターゲットの要望に応えるために、原料となるコーヒー豆は1900円の高いものを選びました。

100円の講座に参加しておこづかいを使い切ってしまった男の子は、1000円のお年玉貯金を持っていましたが、これでは1900円の豆は買えません。そこで、なんと親から900円の借金をして材料を買い、両親に一杯200円でコーヒーを提供することになりました。

こうして「家庭内起業」をした男の子は、自分で出納帳をつけ、売上で借金を返済しながらコーヒー屋を経営し、2カ月かけて黒字に転じさせたのです。
(後略)
―――
このように、この小学1年生の男の子は原料のコーヒーを1900円で買い、一杯200円で売っていくことで、最終的に1900円以上の儲けを出して、お金を増やすということに成功しました。この実践は、経営者が行う方法と同じです。この利益を出すために、「どうしたらお客さんが喜んでくれるか」「お客さんが喜ぶコーヒーはどんなコーヒーか」「コーヒーはいくらなら買ってもらえるか」など、お客さんの心情を深く考え、想像し、実践しています。これはまさしく、「能動的な態度」や「想像する力」を培っていると言えるのではないでしょうか。またこれは、人間にできて、人工知能や機械にはできない「人の気持ちや考えを理解すること」ではないでしょうか。だから、人間にしかできない「人の気持ちや考えを理解すること」をふまえ、コーヒーを売って利益を出すという「経営の実践」は「生きる力」を身につけるための1つの方法かと思います。
しかし、家庭内の教育でこの方法が最良の方法と言えるかは、わかりません。この「経営の実践」は、「利益を生むこと」が前提です。利益を生む上で、相手が喜ぶことを考えています。
では、世の中は利益を生むことがすべてでしょうか。例えば、「電車の踏切内で倒れた人がいて、電車が倒れた人をひきそうになった」とき、その近くにいる人は「助けたら得をするか、損をするか」と考えて助けるのでしょうか。そうではないと思います。「助けたい」と無条件に思って、助けるのではないでしょうか。それは、人としての愛情や正義によって、なされる行為とも言えます。

小学校の道徳の教科書では、以下のような「おかあさんの請求書」という話があります。
物語に出てくるたかしさんは、お手伝いなどをして、お母さんに次の請求書を渡します。
「~お母さんへのせいきゅう書~

お使い代 百円
おそうじ代 二百円
おるすばん代 二百円
合計 五百円          」

それを受け取ったお母さんは、その後、500円をたかしさんに渡します。
同時に、次の請求書を渡します。

「~たかしさんへのせいきゅう書~

親切にしてあげた代 0円
病気したときのかん病代 0円
服やくつやおもちゃの代 0円
食事代と部屋代 0円
合計 0円            」

このように、たかしさんは初め、「労働の対価」として「お金を請求」しました。しかし、おかあさんは「たかしさんへの行為」は「0円」としました。
前者は「利益の関係」ですが、後者はちがいます。
最適な言葉かどうかはわかりませんが、「愛情の関係」と言えるのではないでしょうか。
この物語で示された「無償の愛」こそが、損得を抜きにして、人を助けたいという気持ちの原点ともいえます。その「無償の愛」は一番近くて大切な存在である「家族」によって育まれるのではないでしょうか。
家庭内では、「経営の実践」などによる「利益を生む力」を培うとともに、「無償の愛」を育むことで、「真の生きる力」を身につけられるように思います。
こちらで挙げたのは、あくまで一部の例ですが、様々な力を身につけることで、「生きる力」が育まれることを願っております。
 

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